【はじまり】WordPressサイトメジャーアップデートした話①
デザイン制作をしていると、WordPressサイトの修正って「ちょっと直すだけ」のつもりが、なぜか大きくなっていくことがあります。話の始まりはいつも些細で、「ちょっとした追加」だったはずなのに、実装段階で表示が崩れる、動きがおかしい。気づけば「これ、どこから触ればいいんだ?」という状態になる。今回のボディメイクジムのサイト修繕も、まさにそこから始まりました。
きっかけはシンプルで、「新規店舗を開業するので、そのページを作ってほしい」という依頼です。
ただ実際に触り始めてみると、単純にページを追加するよりも、構造自体を整えた方が、今後お店側で更新していく上でも扱いやすくなると判断しました。結果として、部分修正ではなく、いわゆる“基礎工事”に近い対応となり、サイト全体のメジャーアップデートへと発展していきます。
作業自体はそれなりに大変でしたが、AIやエージェントの協力もあり、振り返ってみるとかなり汎用性のある作業プロセスになりました。自作テーマからの見直しや、構造の整理を考えている方にとっては、進め方のヒントになる部分もあると思います。今回はその一連の流れを、いくつかの工程に分けてご紹介していきます。
話のきっかけとご紹介
個人的な知り合いというか、後輩がやっているボディメイクサロンにかかわるデザイン制作物をいろいろと作っており、ウェブサイトもリニューアルやサポートなどを継続して行っています。当初は1店舗のみだったのが、うれしいことに事業が好調なようで、店舗を増やすこととなったそうで、今回の相談にいたりました。相談の際にもらった希望は「店舗が増えるので店舗を紹介するページが欲しい」でした。
実はよくある案件定義ですよね。ちょっとした改定と思いがちですが、「初めて店舗を増やす」ということは、おそらく今後に店舗を増やしていくよりよっぽど重要な一歩目です。店舗としての大変さもですが、看板としてのウェブサイトも、そのくらいの本腰を入れてメジャーアップデートをした方が、お店のためにも運営を手伝っているSoleilとしても、増えてからではなく、増えることを想定してアップデートに備えていこう。とおもいました。そこが大きなきっかけです。
浮き出てきた問題
このような状況が多くのウェブサイトで当てはまるわけではありませんが、正直ここで、制作会社あるあるかもしれないことを一つ挙げます。
「オリジナルテーマって、バージョンアップ想定してないことがほとんど」
ではないでしょうか?
制作会社の特性もありますが、ほとんどの場合は納品先に収める為に作るので、条件を満たしていることが大前提なので、基本後出しのバージョンアップを想定して作ってないことがほとんどで、バージョンアップを想定したいわゆる「標準化してあり、運用まで視野に入れた作り」となると、おそらく制作初期の段階(オリジナルテーマを作ろう!ってなった受注時)でその話が出てない限りは想定したつくりをしていない場合がほとんどかと思います。
ちょっとWordpressに慣れた人に伝えるとしたら、納品時に既に「要望にない子テーマまで作ってここでバージョンアップしましょう!」といって納品することなんてあまりない気がします。
その状態に漏れず私も初期段階では店舗が増えることも想定していなかったので、別段バージョンアップを想定したファイルのつくりにはしておりませんで、依頼があったら私が直せばいいや。と思う程度でした。
しかし今回、店舗が増える&ブログ以外のページ修正も追加も増え、さらに店舗ごとに情報を取捨選択できるようにしたい、SEO的にもちゃんと店舗ごとのGoogleMapから店舗ページへアクセスできるようにしたいなど、おそらく今後必要となりそうなことが少しずつ浮き彫りになってきました。
要望・要件の整理
| 当初の要望 | 想定の修正 | 考えうる正しい修正 |
| 店舗を紹介するページが欲しい | 新しくトップページのような固定ページを作ればOK | 店舗を管理するカスタム投稿があった方がいい。 |
| MEOもちゃんとしたい | GMBに登録するページのURLがあればいい | トップページと別に店舗ごとのURLを発行しておく(これは簡単) |
| 共通・店舗ごとの情報等を管理しやすくしたい | 個別に固定ページで編集する | 共通項目・個別の項目・選択できるような情報とばらばらになるので、個別ページでここに管理するより、情報単体(例:よくある問合せ一問一答単位)を「情報のカード」として整備できるように、取り扱う情報を再整備して、投稿設計を再度見直す。 |
| よくある質問や店舗スタッフは店舗ごとに整備したい | 今後の修正課題にしたい | 「情報のカード」としておくことと「店舗をただの固定ページでなくカスタム投稿」にしておくことで、カードを持ってきたり持ってこなかったりを選択できるようにしておけば、管理も修正も非常に楽になる。 |
| ヘッダーはほかのページとトップページくらい分けたい | オリジナルテーマをもう一つ増やしたい | テンプレートと投稿方式が違うのでいかようにも変更可能に。 |
要望をあえて問題として浮き彫りにすることで
「単純に修正するだけではない方がいいんじゃない?思い切ってメジャーアップデートしちゃおう!」
と思いました。今回の想定で行けば、スタッフがめっちゃ増えても、店舗が全国展開しても、UI(ユーザーインターフェース)を改善していくだけで対応できるはず(大きく言いすぎかも笑)。それであれば、テーマ自体を現段階で骨格を作り直して増える想定の骨格にしておけば、スマートでしなやかなつくりになるはずです。ボディーメイクジムのサイトなので、プログラムもダイエットすることにします。
テーマの標準化について(標準化って?その特性)
テーマの標準化というと、いわゆる「汎用化(使い回し)」をイメージしがちですが、今回のそれは少しニュアンスが違います。どちらかというと、「運用しながら育てていける構造に整える」ための標準化に近い考え方です。
最初から完璧な形を作るのではなく、後から拡張しても崩れない状態を作る。
そのために、今回は以下の3つを軸に設計しました。
- 役割を分ける
何度も使う情報は「情報カード」として切り出し、カスタム投稿として管理します。どの情報をカード化するかを整理することで、再利用性と拡張性を確保します。 - 構造を整理する
情報カードを運用するための土台として、テーマのファイル構造を見直し、親テーマとして成立する形に再構築しました。また、mu-pluginsを用いて機能を分離し、システムの軽量化と運用のしやすさを両立しています。 - 迷わないルールを作る
カスタム投稿やフィールドが増えると運用が複雑になりがちですが、「選択するだけ」で扱えるように設計することで、迷いを減らしています。mu-plugins、ACF、テーマ側のPHPを役割ごとに整理することで、クライアントが無理なく運用できる状態を目指しました。
このように、「作るためのテーマ」ではなく、「運用できるテーマ」にすることを前提に標準化を進めました。
次回へのまとめ
今回の記事は初回ですが、主に標準化をするにあたっての構想内容をご紹介しました。「標準化へ変える」というよりかは「作ったものを新たな要望に合わせて整える」ための準備段階です。
大事なことは「構想を最初に作りすぎず明文化だけしておいて、いっちばんちっこい機能からつくる」ことを大事に進めています。次回は「いちばんちっこい機能」となる情報のカード化と、ベースになる親テーマ(でけえやん)の構築についてお話ししますが、いよいよAIとの共同作業が実現した回になります。
ちょっとだけ次回予告ですが、基本的な設計思想(一番大事)ができた後にやることは一つAIとの連携作業です。
- ローカルのテストサイトをターミナルで監視&現状をAIに報告
- 監視対象を操作するように、AIアシスタントとAIエージェントに指示して、ファイルが出来上がるのを待つ
- 私は仕上がりチェックをする
という流れの説明がほとんどになるはず、、。
実際のところ、結構数人のオペレーターがいるレベルの作業量を短時間でこなせたので、ご興味のある方は是非お楽しみに🙏!


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