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以前紹介した「Orbite」という仕事の考え方について、もう少し入り込んだ説明をしたいと思います。

一言に「軌道で仕事する」って言っても、そりゃよくわからんとなりますので、各星でどんなふうにやっているのか?をご紹介しますが、今回は「Terre:地球」つまり、作業現場での実際を書いて行きます。

デザイン会社の「Terre」なので、その他の業種との接合点が見当たりづらいようにも思いますが、デザイン会社も突き詰めれば「会社」。作るものが違うだけで取り組む姿勢やタスクは共通項も多いと思いますので、そこをうまく伝えられるようにしたいと思います。

制作って何故か詰まる時がある。。

デザイン業において「制作」は、ほぼオペレーションに近い作業です。地味で、肩も凝るし、正直あまり楽しくない。

デザインを考えるフェーズとは違って、「決めたものを形にする工程」なので逃げられません。

営業が「案件を勝ち取ること」だとすれば、制作は「見積もり」や「資料作り」に近い立ち位置です。

ただ、この制作という工程、なぜか詰まる。

ファイルは増える、容量も重い、どこが最新かわからなくなる。集中しているときに連絡が来ると、「どこまでやったっけ?」となる。一度完成したはずなのに、修正でまた戻る。昨日いた場所に、もう一度戻される感覚。

一人でも煩雑。複数人ならなおさらです。

前職でチーフディレクターをやっていた頃は、タスクの細分化や工程の分離など、いろいろ試しましたが、結論はシンプルで

作業に入ったら、もう誰にも話しかけられたくない。

これに尽きます。

Terreの役割

Orbiteにおいて、Terreはこの「作業現場」に特化した領域です。場所というよりは、状態を指す言葉として使っています。

例えばこんな感じです。

  • 「今、超集中して作業してる」=Terreにいる
  • 「デザイン決まったから実装に回せる」=Terreに渡せる状態
  • 「この素材、使い回せる」=Terre用のストックにする

このように、Terreは“作業の状態”を切り分けるための言葉でもあります。

なぜ分けるのか

理由はシンプルで、「考える」と「作る」を混ぜると、必ず崩れるから。アイデアを出すエネルギーと、作業するエネルギーは別物です。これが混ざると、

  • 今どのフェーズにいるのかわからなくなる
  • 作業中に余計なことを考え始める
  • 判断がブレる

結果として、ミスや手戻りが増えます。さらにここにAIが入るとどうなるか。

便利になる反面、構造が曖昧なままだと一気にブラックボックス化します。最悪の場合、「これ自分で作ったっけ?」という状態にもなりかねません。(これは冗談じゃなく、普通に起きます)

だからこそ、「作業」は「思考」から切り離す。これがTerreの前提です。

実際にどうやってるのか

デザイン業で主にどうやってるのか?についてですが、大きいルールをいくつか作ってそれに沿うようにしています。でもルールの前にこれをご覧ください。これが、Terreの体現ではないかと思います。
  1. フォルダ階層を一定にする
  2. 進めても「戻れる・戻りやすい」流れに乗るように進める
  3. 触るデータが頑張らなくても明確になっているようにする
  4. 決めたデザインに現場の考えを混ぜない
  5. 縛りすぎず「アソビ」の隙間を用意しておく

このルールを体現しているのが画像のフォルダ構造です。案件が始まったら、任意の名前のフォルダを作って、このフォルダ階層にしておきます。コピペでOK⭐️

フォルダ階層はルールにそのまま直結しています。軽く説明するとこのようになります。この構造にしている理由はシンプルで、

  • 「1最新制作ファイル」だけ見れば今触るものが分かる
    最新ファイルをここに入れておくルール。必ず納品を目指す主要ファイルだけが入る。つまり、このファイルを操作すればいいから探さなくていい。
  • LOGで作業履歴を残す
    LOGには、作業してきて出た修正で、「一応取っておこうかな?」ってファイルを予備保管しておく。でも必ず採番して保存・移動することとしている。
  • PDFで確認用を分離
    外部に確認してもらうためのファイル保管庫として、修正指示とかとは一切混ざらないようにしている。
  • テキストは指示やメモを切り出す
    もともと、Mac↔︎Winで文字コード問題が面倒だったので、プレーンテキストの保管所にしてたけど、最近は思いつきメモやテキストベースで保管できるtxtファイルの保管所にしている
  • レイヤーや素材は再利用前提で管理
    レイヤーなので、可変可能なファイルの重要保管場所。決して完全データを入れないことにしている。
  • 支給データは元データとして触らない
    受信フォルダには支給データと修正指示書を保管。ここはただの保管所だけど、ここのファイルは上書き保存とかは絶対にしないルール。もらったままのデータを保管することにしている。

このフォルダ階層を作り自分でルール化と前職で社内ルール化したのは、20代後半でこのフォルダ構造を採用していました。振り返ると、なかなかの整理整頓マニアだったと思います。

ただ、今思えばこれは性格というよりも、
「制作が詰まる理由」に対する試行錯誤の結果だったのかもしれません。

詰まるところ、Terreは、細く言うともっともっと細分化されます。が、基本は「ただ作業する場所ではなく、作業が自然に進む状態を維持する装置」として機能することが大切でした。
「Terreへ渡す」「Terre案件」と割り振るのは言葉で区切ればいい話ですしね。

ここで乃木さんに聞いてみよう

まじでAIに聞いた原文ママをインタビュー形式で評価してもらってます。AIは、Terreでは実働あまりしてもらってませんが(モジュール集合体衛星【Odyssée】は後日説明)、構想には関わってもらっているので。

実際、制作が詰まる原因は何だと思いますか?
制作が詰まる主な原因は、「状態の不明確さ」にあります。
『どのファイルが最新なのか分からない』『どの工程にいるのか曖昧』『作業と意思決定が混在している』
このような状態では、人は判断コストを消費し続けることになり、結果として集中が途切れやすくなります。
また、作業中に思考を挟むことでコンテキストスイッチが発生し、パフォーマンスが著しく低下します。

ありがとうござりまする。
来月もサブスク継続させていただきます。

まとめ

Terreは、単なる作業場所ではありません。

「今何をやるのか」が迷わず分かり、
「どこまで進んだのか」が見失われず、
「考える」と「作る」が混ざらない状態を維持するための装置です。

制作が詰まるのは、技術やスキルの問題ではなく、ほとんどの場合「状態が曖昧になっていること」が原因です。だからこそTerreでは、フォルダ構造やルールを通じて“状態”を設計しています。

一見すると細かい運用に見えるかもしれませんが、この積み重ねが、作業を止めないための基盤になります。さらにTerreには、Odysséeという自動化AIモジュール・AIエージェントの「居場所」も作っており、人間が作業として冷静に運用を守りつつ、AIの介在を認める場所も設けています。

そして何より、このTerreで整えられた作業は、次に「Mercure(伝達)」へと流れていきます。どれだけ良い制作ができても、それが正しく伝わらなければ意味がありません。

次は、この“伝える構造”について書いてみようと思います。

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